-日本に相応しいGAP規範の構築とGAP普及のために-

GH農場評価とは

GH農場評価は「農場の健康診断」

 健全で持続可能な農場経営に向けた、プロの評価員によるGH農場評価を受けてみませんか?

GH評価制度パンフレット
  • 農場や生産組織(生産部会や出荷組合などの農家グループ)が、
    • 「日本GAP規範」の内容をどの程度遵守しているかを評価し(*)、
    • 「どこに問題があるのか」、「なぜ問題なのか」、「どの程度問題なのか」を明らかすることで、
    • 持続可能で健全な農業経営や産地管理を実践するための指標を提供する
    • 自己啓発に資する「GAP教育システム」です。
  • 農場や生産組織は、評価結果に基づき「自然環境や農業環境の保全」、「農業に携わる人や生活者の安全」、「農産物や食品の安全」などに関するリスクを提言するための改善計画を実践します。
  • 農場や生産組織を農産物の「取引相手として保証する(お墨付きを与える)」ことを目的とした制度(いわゆる、農場認証制度/GAP認証制度)ではありません。
    *農場評価規準ver2.2(作物)は、農林水産省の作成している「国際水準GAPガイドライン」に準拠しており、「国際水準GAPガイドライン」の全ての項目を遵守できているかどうかも評価します。
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●「日本GAP規範」と「GH農場評価規準」

 GH農場評価規準は、農場や生産組織が「日本GAP 規範」に記載されている内容をどの程度理解し実践しているかを評価するための評価基準項目です。

GH
●GH農場評価から始まるGAP化(農場管理の適正化)

 農場の現状評価(問題=BAP*の抽出)があって初めてGAP(適正農業管理)に向けた改善指導ができます。GH農場評価は、日本GAP規範と照らし合わせて農場の現状評価を行い、GAP指導を支援します。

*BAP:Bad Agricultural Practicesの略で、不適切な農場管理や行為の意味(造語) GH
「GH(Green Harvester)」の由来とロゴマーク
<由来>自然環境との調和の中で営み、私たちが食糧として口にするために収穫する産業としての農業をイメージして、"Green"+"Harvester"としました。
<ロゴマーク>当協会のロゴ(fgap)に稲穂を収穫する人のイラストを重ねています。

ロゴマーク

GH農場評価とは >評価の種類と評価規準 >評価方法 >評価の手続きと流れ >評価員教育プログラム

評価の種類と評価規準

(1) 農場評価
部会などの生産組織に所属しているか否かに係わらず、農場単独での遵守レベルを評価します。評価には、「農場評価規準(作物)」または「農場評価規準(畜産)」を使用します。
(2)組織評価
所属する複数の農場の管理・監督の状況を評価する「事務局評価」と、所属する個々の農場の管理状況を評価する「サンプル農場評価」からなります。事務局評価には、「組織評価規準」を使用します。
(3)施設評価
生産組織が管理し、組織評価の対象農場が共同で使用する集荷場、共同選果場、大規模乾燥調製施設などの共同農産物取扱い施設の管理実態を評価します。施設評価は、組織評価のオプションとして評価を受けるかどうか選択することができます。評価には、「施設評価規準」を使用します
●評価規準は、農業の形態に対応する農業分類と経営の管理分類を組み合わせて構成されています。
GH
●農場評価規準(作物)
  1. 農場管理システムの妥当性
  2. 水・土壌・養分管理
  3. 作物保護と農薬の使用
  4. 施設・資材と廃棄物の管理
  5. 農産物の安全性と食品衛生
  6. 労働者の権利・健康・福祉の管理
  7. 環境と生物多様性の保護
●農場評価規準(畜産)
  1. 農場管理システムの妥当性
  2. 飼料と飲料水・畜舎や施設と放牧の管理
  3. 家畜家禽の取扱いと医薬品等の管理
  4. 施設・資材と廃棄物の管理
  5. 農産物の安全性と食品衛生
  6. 労働者の権利・健康・福祉の管理
  7. 環境と生物多様性の保護
●組織評価規準
  1. 組織管理システムの妥当性
  2. 販売管理システムの妥当性
●施設評価規準
  1. 施設管理システムの妥当性
  2. 燃料と廃棄物の管理
  3. 農産物の安全性と食品衛生
  4. 労働者の権利・健康・福祉の管理

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評価方法

  • 評価員が農場や生産組織の現地調査を行い、評価規準と照らして評価します。
  • 農場評価は持ち点1,000点とし、評価規準が示す評価レベルの配点に応じた点数を減点して表します。
  • 評価結果は、「総合点数」と「総合評価」で表現されます。
  • 評価の結果は、「総合評価証書」、「評価集計表」、「詳細評価報告書」の3書類の「報告書」で提出されます。
●GH農場評価は5段階評価・減点方式
  • 適合(〇)か不適合(×)かの単純な評価ではなく、リスクや管理上の欠陥のレベルに応じて5段階(0~4)で評価します。
  • リスクや欠陥のレベルが大きいと評価の数字が大きくなり、評価点数(減点)が大きくなります。

※国際水準GAPガイドライン項目への遵守状況

評価記号 評価名 評価点数 評価内容の定義
該当外管理すべき項目でない。
加点 +5環境便益などプラスの要素の実施が確認された。(管理分類7でのみ使用)
問題なし 適正に管理されおり、改善の必要がない。遵守
軽微な問題 -5リスクや管理ミスの可能性は極めて低いが、より良い状態に改善することを推奨する。
潜在的な問題 -10潜在的なリスクまたは部分的な管理の欠陥がある。
改善されなければ重大な問題に繋がる可能性がある。
不遵守
重大な問題 -15重大なリスクまたは管理の欠陥がある。
喫緊の問題 -20直ちに改善を求める。危害の発生、法令等の違反および差し迫った重大なリスクがある。

●GH農場評価は全ての項目の詳細評価報告書を作成
  • 評価の理由・根拠を明らかにした評価コメントを記入し、全項目を含めた詳細評価報告書を作成します。
  • 「問題項目の個数」だけでなく、「どこが(項目番号) 」「なぜ(評価コメント)」「どの程度(5段階評価)」問題なのかを明確にすることで、重要性と緊急性を明らかにし、改善の優先順位が明確になります。
表 詳細報告書の事例
分類番号項目内容上限評価コメント
3.2.10○農薬の空容器の処分は、地域の行政やJAなどが行う回収システムの規則に従い、または産業廃棄物処理業者を利用して、人への汚染や環境汚染を起こさない方法で行っている。使用の都度、自宅で焼却している。
4.2.1○肥料等(培土、培地、その原料等を含む)は、収穫物や農薬とは別に保管している(農薬と混合して使用する肥料は除く)。未熟堆肥が完熟たい肥やその他肥料等と接触しないように保管している。
○保管場所は、排水溝や排水路から離れた場所で環境へ流出しないように、また、火気、直射日光、高温、雨・露および霜、物理的衝撃等の影響を受けず、崩落・落下、発熱・発火・爆発等がないように保管している。
○生石灰や硝酸アンモニウムなど危険性の高い資材は、規制に従って適切に管理している。
・倉庫内でパレットに乗せて保管している。シャッターがあり、風雨や露霜、日射の影響はない。
・生石灰や硝酸アンモニウムなどの使用、保管はない。
5.3.4○農産物を取り扱う施設に、収穫後の農産物の洗浄、選果、調製、梱包、保管等に必要のない物品が置かれていない。
○燃油や整備に必要な工具や潤滑油、清掃用具等は、農産物を取り扱う場所から離して保管している。
○生産物に接触する可能性のある洗剤、潤滑剤等は、食品業界での使用が認可されたものを使用している。
・作業場所の周辺は基本的な整理整頓がされ、清掃されている。
包装設備の真上にCRC等の工具オイルが置いてあった。
●GH農場評価のまとめ 集計表
  • 管理分類(大分類)ごとに5段階の各評価がいくつずつあったのか集計にすることで、農場管理の全体像、傾向、弱点分野を把握し易くなり、改善活動に役立ちます。
  • 持ち点1000点(ベストプラクティス)から各項目の評価に応じて減点した残り=総合点数で農場管理レベルを表します。(管理分類7は加点あり)
表 集計表の事例
管 理 分 類 評価 評価+ 評価外(-) 評価0 評価1 評価2 評価3 評価4 管理分類小計
点数 +5点 0点 0点 -5点 -10点 -15点 -20点
1.農場管理システムの妥当性 3 5 1 3 0 0 -35
(国際水準GAPガイドライン不遵守項目数) 3 0 0 3
2.水・土壌・養分管理/飼料と飲料水・畜舎や施設と放牧の管理 4 4 1 3 0 0 -35
(国際水準GAPガイドライン不遵守項目数) 3 0 0 3
3.作物保護と農薬の管理/家畜家禽の取扱いと医薬品等の管理 1 10 0 2 1 0 -35
(国際水準GAPガイドライン不遵守項目数) 2 1 0 3
4.施設・資材と廃棄物の管理 1 5 0 6 2 2 -130
(国際水準GAPガイドライン不遵守項目数) 5 2 2 9
5.農産物の安全性と食品衛生 2 6 0 5 3 0 -95
(国際水準GAPガイドライン不遵守項目数) 4 2 0 6
6.労働者の権利・健康・福祉の管理 0 2 1 3 1 1 -70
(国際水準GAPガイドライン不遵守項目数) 2 1 1 4
7.環境と生物多様性の保護 0 0 0
評価レベルごとの評価個数 0 11 32 3 22 7 3
(評価レベルごとの国際水準GAPガイドライン不遵守項目数) 19 6 3
管理分類の合計点数 -400
総合点数(=1000点+管理分類の合計点数) 600
総合評価
国際水準GAPガイドライン項目 不遵守項目数 28
●GH農場評価のまとめ 総評および推奨、総合評価
  • 「総評及び推奨」欄で、「詳細評価報告書」全体を総括して、農場管理の特徴、良い点、課題の捉え方、改善の視点やポイント、優先的改善事項、経過観察事項などを報告します。
  • 評価結果を分かりやすく表現するために、総合点数と評価レベル(記号)3、4の個数をもとに、星(☆)表示を行います。
  • 総合点数が良くても、評価4がある(危害が発生している/重大な法令違反がある)場は星が付きません。または評価3(重大なリスクや管理の欠陥がある)が多い(5個以上)の場合は、星の数が1つ減ります。
  • 持続可能な農業経営、産地管理を目指して、五つ星を目指しましょう。
表 総評および推奨・総合評価の事例
総評および推奨 総合点数 総合評価判定
右の件に該当していない 評価3が5項目以上あり、評価4がない 評価4が1項目以上ある
 多くのハウスを管理するのにあたり、ハウス設置図を利用して、個別のハウス管理を徹底しています。土壌管理や肥培管理は、土壌診断や普及員の助言による管理がうまくいかず、現在は自分の経験と日々の観察により良い栽培を行っていますが、現在の管理状態を科学的に検証することが重要です。また、評価4の内容については、廃棄物処理や危険物管理において法令等に抵触するものです。速やかに是正することが望まれます。 1005点以上* ☆☆☆☆☆
900~1000*点 ☆☆☆☆ ☆☆☆  
800~895点 ☆☆☆ ☆☆  
700~795点 ☆☆  
600~695点    
595点以下      
「国際水準GAPガイドライン」全項目遵守 していない
●GH農場評価のまとめ 評価証書・報告書
  • 評価結果は、「総合評価証書」、「評価集計表」、「詳細評価報告書」の3部で構成されます。
GH農場評価証書
評価集計表
詳細評価報告書

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評価の手続きと流れ

  • 評価を受けるにあたっては、「日本GAP規範」を理解し、評価規準に沿って自ら農場や生産組織の管理状況を確認していることを前提とします。
  • GH農場評価の一部の評価規準は、農林水産省の作成している「国際水準GAPガイドライン」に準拠しています。対象となる一部の農場評価を受ける農場では、「国際水準GAPガイドライン」の内容への理解も必要となります。
  • 農場評価の場合は自らの農場の自主評価、組織評価の場合は管理担当者あるいは事務局の自主評価と所属農場全ての事務局による自主評価を原則として終了していることを申請の条件とします。
  • 詳細評価報告書を受け取って6ヵ月以内に再評価を行う場合は、是正項目のみの評価とすることができます。
農場と組織

*1 評価登録料支払いの時期は別途規定による。
*2 原則、評価日時点の内容で評価判定を行うが、農場/生産組織と評価機関との合意により、評価判定前に是正を行い、是正結果を踏まえて評価判定を行うことができる。

●評価のお申込みは、メールまたはFAXにて下記の評価機関にお問合せください。
評価機関
株式会社AGIC 事業部
住所 〒305-0035 茨城県つくば市松代3-4-3 松代ハウスA-402
メール office agic.ne.jp
電話 029-856-0236 FAX 029-856-0024

文書(規則、評価規準)

●一般規則
●その他規則
●評価規準(チェックシート)
●評価申請書