-日本に相応しいGAP規範の構築とGAP普及のために-

『セミナー受講者の修了レポート(感想や考察)の紹介』
 GAP指導者養成講座(GAP実践セミナー&農場実地トレーニング)

株式会社AGIC 事業部

GAPの必要性を考えてもらうにはGH評価制度が良い

受講者 「GAP指導者養成研修」 都道府県普及員

 GH評価制度は、JGAPなどの第三者認証と比べて、GAPの基本的な考え方(適正な農業の実践)を生産者に考えてもらうのに良い手法であると感じた。出荷先などから認証取得の要望がない限り、GAPの必要性について考える生産者は少ないと感じている。しかし、食品としての農産物を取り扱う上で、最低限やるべきことができていない事例もあることから、農協の部会などでGH評価に取り組んでみたほうがよいと感じた。スコア化されることは賛否両論あると思うが、うまく取り組めていない部分の発見に活用する手法としてうまく活用していきたい。

GAP普及ニュースNo.78 2024/4

認証に必要な情報はもちろん、GAPの目的や考え方が非常に参考になった

受講者 「GAP指導者養成研修」 生産者

 今回は研修先の農家としての参加ではありましたが、GAPについてはかねてから認証を取得したい意向がありました。国内外の販売先と商談する際、GAP認証取得の有無を問われるケースがかなりあり、販売先によってはGAP認証取得が前提となっているところもありました。

 今回参加の機会をいただき、認証に必要な情報はもちろん、求められる形式や内容、その目的や考え方が非常に参考になりました。またリスクを把握するという観点でも、農家として身近な分、文書化していなかったり、当たり前のこととして捉えてしまい改めて確認していなかったり、といった事にも気づくことができました。今回の研修を経て、具体的にGAP認証取得に向けて改善すべき点を理解することもできましたし、取得に向けた第一歩を踏み出すことができ感謝です。この度は貴重な機会をいただきありがとうございました。

GAP普及ニュースNo.78 2024/4

GAPにおける「適正3原則」、特に「予防原則」が重要

受講者 「GAP指導者養成研修」 都道府県普及員

 GAP概論の講義では、GAPの必要性からリスク評価についてまで学ぶことが出来た。自分のGAPへの意識が作物の生育上のリスクに偏っていることを認識しました。今後は環境負荷や労働安全などの要素についても等しく重要なポイントとして評価を行いたいと思います。講義内で初めて聞く語彙は多くあったが、その中でも、GAPにおける「適正」の3原則は重要に感じた。特に、予防原則はリスク評価を行う上で常に意識する必要性を感じた。

 ビデオでの評価演習では、実例をもとに監査の状況を見ることが出来た。生産者に対する問いかけが一辺倒になっておらず、能動的に答えることが出来るような道筋の作り方が大変勉強になりました。

GAP普及ニュースNo.78 2024/4

GAPの理解は普及員として必要不可欠

受講者 「GAP指導者養成研修」 都道府県普及員

 これまで、GAPというと認証のイメージしかありませんでしたが、研修の冒頭からその認識が誤っていたこと、そして誤った認識を持っていた理由が分かり、正しい理解のために一から学ばなければという思いで研修に臨みました。

 1日目の講義やビデオ判定の演習では、GAPやGHの考え方について理解できた気がしていましたが、2日目の実地研修で実際に農業者の方へ聞き取りを始めると、思ったように口から言葉が出てこなかったり、想定外の答えに対してどのように会話を進めればよいのか分からなかったりと、理解するのと実践するのとでは全く異なるのだということが分かりました。

 ただ、そうした感覚は、普及員として農業者の方のもとへ伺ってお話するときにも抱いていた感覚であり、自分自身の理解が不十分で自信を持つことができないということが原因であるという点で共通しています。そうした中で、今回学ばせていただいたGAPの内容は、普及員として農業者の方を伴走支援する上で必要不可欠な知識であり、大変有益な内容でした。GAPの実践がスタンダードとなるよう、これから日々意識して普及活動を行っていきたいと思います。

GAP普及ニュースNo.77 2024/1

GH評価員研修会は1番最初に取り組むべき重要な研修

受講者 「GAP指導者養成研修」 JAグループ職員

 GH評価員養成講習・基礎講習会(GAP指導者養成講座)を受けて、なぜGAPの取組みが必要なのか?という根本の部分の理解が深まりました。本年度より新設部署に私を含む6名が所属してGAPの取組みを活用した販売戦略(GAP認証取得の推進含む)や農産物に係る安心安全の更なる拡充といった業務が職務の一つとしてあり、4月よりGLOBALGAPやJGAP等の認証をはじめ、適正な農業の実践に関わる様々な話題に触れ学んできましたが、このGH評価員研修会は1番最初に取り組むべき重要な研修だと感じました。いきなり各GAP認証の取組みへ邁進・・・となると講師のおっしゃっていた歪んだGAPの認識となり得るかなという所感は確かに感じました。まずは現場にて取り組んでみるというところは重要ですが、スタートの仕方が分からないJAグループ職員や生産者は少なくない中、まずはGH評価員研修という建付けは遠回りなようで、実は近道では?と感じました。

GAP普及ニュースNo.77 2024/1

GH評価員研修会を受講して認識の誤りや知識不足を再確認した

受講者 「GAP指導者養成研修」 JAグループ職員

 GAP認証指導員の研修等でGAPの知識ついては自分なりにある程度知識を有していたと確信していたが、今回のグリーンハーベスター農場評価員養成講習会を受講し改めて認識の誤りや知識不足など再確認することができたと感じている。また、実践を交えた講習会であったため緊張してうまく話せなかったところもあり、良い刺激になったと感じている。

 私が担当している作物は水稲であり、当組合の中心的作物である。生産者の高齢化や後継者不足に伴い農業法人が多くなり、一経営体の経営規模も大きくなってきている状況である。大規模経営体の御用聞きとしてTACも携わっており、管内の経営体にお邪魔している。

 私はGH農場評価員の資格を有することができたら経営体ごとに評価してみたいと考えている。今回の講習会を受講し、生産者が質問内容に答えられるか少し不安な気持ちにはなったが、毎年点数を付けたり他の経営体と比べることができたら経営体のモチベーションも向上すると思う。またTACとして伺う機会が増えやせると感じている。是非制度を熟知し業務に活かしていきたい。

GAP普及ニュースNo.77 2024/1

GH農場評価は、農場のガバナンスやコンプライアンスの徹底、生産性や品質の向上に役立つ

受講者 「GAP指導者養成研修」 JAグループ職員

 今回の研修で、営農活動におけるGAPの重要性を改めて認識しました。特に、農業法人においてGAPに取組むことはガバナンスやコンプライアンスを徹底することになり、法人経営の安定化につながると考えました。私自身、何度か農業経営体に栽培指導を行いましたが、農薬の保管・使用管理が十分でない事例や、土壌分析を行わずに施肥することで過剰施肥となった事例をいくつも見ました。そういう経営体において、GH農場評価を実施し、抱えている課題の見える化と改善を実施することができれば、生産性や品質の向上を図ることができると感じました。

 また近年の農業では、生産性だけでなく環境も維持することや、社会的責任を果たすことが求められています。一方で、環境負荷の軽減や社会的責任を果たす農業を実践しようとしても何から始めればよいのかわからないというのが実際だと思われます。このことについてもGH農場評価を通して、経営体と一緒にできることを考えていくことがJAグループとして必要だと感じました。今後も産地での栽培指導を行うときに、GH農場評価の視点を持って実施していきたいです。

GAP普及ニュースNo.77 2024/1

GH農場評価による改善効果に衝撃を受けた

受講者 「GAP指導者養成研修」 JAグループ職員

 今まで恥ずかしながら、GAPというものをなんとなくでしか理解しておらず、今回概念なのだということ、そのほか認証制度や規範等との違いも理解できました。私は今まで園芸部門におり、感覚的には、実際に現場でのGAP浸透は難しいのでは?と思っていました。ただ、認証を取得することはとてもいいことだと思いますが、それだけではないのだと実感しました。その中で特に一日目の講義内での、福井県でのGH農場評価におる改善効果の部分は衝撃でした。ペナルティがあるわけではないが、点数化されることでよりよくなるためにすべきことが明確になり、生産者・農場のレベルアップにつながること、ただGAP認証取得のためだけではないのだと痛感しました。

GAP普及ニュースNo.77 2024/1

GAPの取組み=日本農業のテコ入れされていない分野についにメスが入った感覚

受講者 「GAP指導者養成研修」 JAグループ職員

 これまでの担当業務ではGAPに関わることが無く、今年度からGAP担当として業務に就きました。GAPという言葉は聞いたことがありましたが、今回初めてGAP関連の講習会を受講し、これまでの認識が大きく変わる経験となりました。「農業の生産工程管理」、「トレースがきちんととれる状態」、「実需者の要望に応じて認証をとるもの」というイメージから、食品安全だけでなく、環境保全、労働安全に至るまで、日本農業のテコ入れされていない分野についにメスが入った感覚でした。

 どうしても天候次第のような雰囲気があり、工業製品とは違う、計画通りにはいかないという考えが、過剰施肥による環境汚染や、労働環境をないがしろにしていたのかもしれません。またGAPは「認証をとるもの」というイメージがあり、営農と結びついていないことも要因と感じました。

 GAPの考え方がより身近なものになり、農業者の労働安全と持続可能で食品汚染・環境汚染に配慮した農業が実現されていくことを期待するとともに、しっかりと現場まで届く取り組みをしていきたいと思います。

GAP普及ニュースNo.77 2024/1

未来を背負う高校生に持続可能な農業のための適正な実践ができる農業を伝えたい

受講者 「GAP指導者養成研修」 教育機関職員

 持続可能な農業のための適正な実践として、GAPという規範の大切さを実感しました。現在の農業は、生産効率重視で環境や労働環境に配慮が少ないことが未だに課題だと思います。しかし、エビデンスを提示し、その必要性や重要性をわかりやすく農業適正規範で示すことで、持続可能な日本の農業を行っていくために、改善点や問題点を文字化そして視覚化することができるGAPのすごさに改めて感動いたしました。

 これから未来を背負う高校生には、持続可能な農業のための適正な実践ができる農業を伝えていかないといけません。現場で学び、質問の仕方や評価の考え方、より具体的に伝えてお互いがイメージ化することで、日本の農業が保存されていくと感じました。多くの農業者にこの概念を共有していきたいです。2日間ありがとうございました。

GAP普及ニュースNo.77 2024/1

農場評価(聞取り)技量の不足を痛感

受講者 「GAP指導者養成研修」 都道府県普及員

 先日、特に知識も経験もないまま、初めてJAのGAP内部監査に評価員として参加したのですが、やっていたことがまさしく講義で説明のあった「やってはいけない農場評価」(質問がチェックリストの内容そのまま、yes/Noクエスチョンで質問、チェック項目の趣旨を理解していない、記録や文書の内容を十分に精査しない)だったことがわかり、もっと事前に勉強をしてから行くべきであったことを痛感しました。

 また、セミナー教材の農場評価ビデオでは、そのレベルの高さに驚くとともに、これからの経営者が身に着けるべき課題、私たち普及指導員が指導していかないといけない課題がたくさんあるということに気づきました。

GAP普及ニュースNo.73 2023/1

「GAP=新たな取組み」ではなく、「GAP=本来やるべきこと」と気付いた

受講者 「GAP指導者養成研修」 JA営農指導員

 「GAP=新たな取組み」という固定概念にとらわれがちで、まだ馴染みがないというところであったが、今回の研修から、「GAPとは本来やるべきこと」というところで知識を深めることができた。食品面、労働面でのリスクを予測し、評価することで、その農場や取扱うJA等の評価も変わってくる。消費者からの信用、信頼を得て、より良い生産物を生産、供給できるよう、自分の日常業務で今回学んだことを活かしていきたいと思う。

GAP普及ニュースNo.73 2023/1

GAP/GAP規範/GAP基準/GAP認証の違いが分かった

受講者 「GAP指導者養成研修」 JAグループ職員

 GAPとGAP規範、GAP基準とGAP認証について、受講前には区別がつかず同じものだと考えていたが、それぞれ全く違うということが理解できた。また、GAPとはGAP認証を取るために行うものだと考えていたが、その考えも正せたことが大きな収穫であった。GAPとはGAP認証を取得して付加価値を付けることだと認識している生産者も多いと感じるので、正確な情報を発信し、正しい認知を広めていきたいと考える。

 また、全てでは無くとも、取り入れられるところから少しずつ生産者にGAPを実践してもらうことで、農業経営を効率よく出来るものだと考えているので、積極的に広めていきたいと考える。 GH評価という制度も研修以前は知らなかったが、実践を交えて練習を行えたことが非常に勉強になった。


GAP普及ニュースNo.73 2023/1

農業関連法令も網羅的に学べる、経営支援に活かせる

受講者 都道府県普及指導員

  GH評価の知識を深めることで、「肥料の品質の確保等に関する法律」、「農薬取締法」など農業者が関係する法令も網羅して理解できるので素晴らしいと思いました。GH評価に取り組むことで、発生しうるリスクを考える、という教育システムは素晴らしいと思いました。私の担当業務は経営支援でありコンサルティングのような指導をするのですが、否定するのではなく、改善点を一緒に探していく、という姿勢など支援方法、支援マインドが似ていると感じました。

GAP普及ニュースNo.72 2022/11

普及指導活動にも役立つGH評価トレーニング

受講者 都道府県普及指導員

  これまで、GAPについてはリーフレットなどの資料を読むだけでした。今回初めて、背景やGAPをめぐる我が国、世界の情勢を知りました。

 評価の仕方について、農家への対応は、相手を混乱させない、丁寧でも的を射た言い方をする、相手が言わないことを観察や知識により補う、現場現物を確認する、事前での情報収集など、平素の普及指導活動の心得としても参考になります。また、ガイドブックを読んで、設問の意味を理解しておくこと、各種法令について正確な知識を持つことを忘れてはいけないと思いました。(実は、受講前は1人あたりの受講料が高額だと思っていましたが、認識が変わりました。必要です。)

GAP普及ニュースNo.72 2022/11

GH評価にすぐに取り組んで欲しい

受講者 都道府県普及指導員

  今回の学びの1つに、国外とのGAPの実情の違いがあった。EU等では、卸・小売からGAP認証が必要条件的に求められていて、それを産地・生産者らが理解し許容しているシステムが成り立っているが、日本においては考えられないと感じた。おそらく、国内で同様の水準までシステム化しようとすると、面倒に感じたり、費用対効果への不信感から反発があるか、あるいは共感しても自律的に継続できる生産者はまだまだ少ないと思う。

 ただ、今回学んだGH評価基準は、理解が進むほどに内容的にはどれもすぐに取り組んで欲しいことばかりであった。農家が自律的にGAP実践することが難しく、そこに普及員の役割が求められるのであれば、本研修を学んだことを活かして、今後積極体に取り組んでいきたい。

GAP普及ニュースNo.72 2022/11

今までの他の座学研修では実際に指導することへの不安があった

受講者 都道府県普及指導員

  GH評価のヒアリング映像を用いたワークショップやバーチャル演習では、具体的な評価の視点とヒアリングの流れ、手法等を学ぶことができた。今までGAPに関する指導はほとんど経験がなく、座学研修の受講のみにとどまっていたため、実際 に指導を頼まれた場合に不安があったが、今回、評価演習という実践形式で講師の指導を受けながらヒアリングを経験できたので、今後のGAP指導に活かしていきたい。

GAP普及ニュースNo.72 2022/11

GH評価演習を通じて、情報収集の難しさと重要性を感じた

受講者 市町村農林課

  1日目の午後からのVTRによるGH評価では、実際に点数をつけてみましたが、会話のキャッチボールの中から情報を聞き取り、証拠を確定し判断の材料とする難しさを実感しました。まあ大丈夫かな?というところでも潜在的な問題として評価されていて「観察」と「質問」の重要性を感じました。

 2日目は実際に農家役の講師と対話をし、評価をつける実習を行いました。聞き取りを行いながら評価をつけることに大苦戦しました。5W1Hを意識しすぎて脱線してしまったり、情報を聞き出しきれなかったりと「情報収集」の難しさを実感したと同時に重要性を感じました。

GAP普及ニュースNo.72 2022/11

"GAP=持続可能な農業のための実践"を再認識
GAPにはIPMやアニマルウェルフェアが含まれると初めて知った

受講者 普及指導員

  研修を受けて、GAPは持続可能な農業のための実践をするための取り組みだということを再確認できた。
 また、汚染のリスクを最小限にできればよいため、上を求めすぎると継続できないという認識が指導者側であることが意外だった。そのため、BAP(Bad Agricultural Practice)をGAP(Good Agricultural Practice)に変えていき、悪くない、つまりGoodな農業が実現できるよう、問題点を探し、指導できるよう努力したい。また、GAPにはIPMやアニマルウェルフェアなどの考え方についても盛り込まれていることは初めて知った。自身が認識していたよりも様々な観点から農業のあり方について考えられていることが分かった。その中でも、食品安全や環境保全については、不特定多数の人に影響があることから、非常に重要視されていることが分かった。

GAP普及ニュースNo.71 2022/8

かつては生産性、今は環境負荷低減で農業を工業並みに

受講者 普及指導員

 農業は特に水・土・大気などの自然資源を直接利用するので、環境負荷をかけないためにGAPが必要だと分かった。また、ヨーロッパでの環境保全推進の流れでGAPが進められてきており、日本はそれを後追いする形でGAPを進めていることも分かった。工業分野においてもGAPのような考え方は推し進められてきたと思うが、現状は、農業の方がむしろ工業分野より環境負荷に対して意識が遅れており、かつて生産性の面で農業を工業並みにしようとした時代があったが、今度は環境負荷の面で同じように農業を工業並みにしようとしている点が面白いと思った。

GAP普及ニュースNo.71 2022/8

GH評価は、自然にGAPの理念やGAP的な考え方が身につく良いツール

受講者 普及指導員

 GAPについて頭では理解しているつもりでも、農業者に対して簡潔に説明することは難しい。農業者に指導する際もGAPの理念から理解してもらわないと、その必要性や取り組む意義があいまいとなり、長続きしないと考える。その点で考えると、いきなりGAPというよりも今回の研修で学んだGH評価は、自然にGAPの理念やGAP的な考え方が身につく良いツールだと感じた。実際に農業者に指導する際は、もう少し経験を積まなければとならないと個人的に感じた。

GAP普及ニュースNo.71 2022/8

受講者  普及指導員

 GAPについては、GAP認証取得支援やJA部会等への推進を通して関わってきたが、「GH評価」という視点でGAPを考える機会は今回が初めてであった。「GH評価」は、現状を点数化することで生産者の気づきが得られること、認証ではないため、気楽に取り組めることができるのがポイントであるように感じた。

 一方で、評価する側としては、点数化する際に、なぜそのような点数をつけたのか、法的または科学的な根拠に基づき、どの程度規範や基準に近づいているかを説明できる必要があり、評価員はしっかりと理解していなければならない。今までのGAP指導時には「適」または「不適」で考えており、どこまでできているかまで見られていなかったため、GAP認証取得支援時にもこの視点は活かせるとも感じた。

 演習では複数の研修生による質問を聞くことで、どのような聞き方をすれば引き出せるか、客観的に捉えることができた。また、評価項目については、一般的なGAP認証の適合基準と内容は概ね同じだが、項目がより整理されていてわかりやすく、対話形式で評価を進めたり、農場に対して説明するためにも有効だと感じた。

GAP普及ニュースNo.68 2022/6

受講者 県普及指導員

 冒頭にあったように、GAP=食品を生産する者、農地を使って事業を行う者としての最低限の取組みであるという点が、今回の研修でよく理解でき、県職員として改めて農産物の生産現場に当たり前に定着させる必要があると感じました。しかし、やって当たり前である取組みであるが、生産者側にはいまだにGAPは追加でやること、メリットがないとやる意義がないものという意識が強いように感じており、この意識のギャップをどのように埋めていくべきか、行政側に課題を認識しました。

 この課題に対して、GAPとは産地全体で取り組むことに意義があり、個々の農家の取組み以上に、生産者組織をマネジメントするJA等の出荷団体の管理体制が問われることをヒントに、農家よりもまずは出荷団体を対象とした意識改革と指導に重点をおくべきではないかと考えました。

 また今回の研修で「農業者=食品事業者」であることに改めて気づかされたとともに、演習の際のニラの出荷調製機器の汚れに対して違和感を感じなかったことを大変反省しました。今後は、農業=食品事業者という意識を忘れずに農業者や出荷団体の指導に当たりたいと思います。

 今年、初めてGAPの指導に立ち合い、どのように指導すべきか悩んでしましたが、客観的な視点での評価(GH農場評価)を通じて、「どこに問題がるのか」「なぜ問題なのか」「どの程度問題なのか」を投げかけながら、農業者や出荷団体が自らリスクに気が付き、コントロールできるように指導することが重要だと理解しました。

GAP普及ニュースNo.69 2022/3